aFantasia Interview Miss Kittin
a014 Miss Kittin_May 11th 2006 Interview, Text and Translation: Mio Nishitani

ABC

 

Miss Kittin

本名CAROLINE HERVE。94年地元フランスでDJミックスをスタート。そのエレクトロミュージックの無限大な魅力に惹かれた彼女は数年後に盟友THE HACKERと作った「FRANK SINATRA」がDJ HELLの目に留まり大ヒット。その猫(KITTIN)のようなキュートなマスクとファッショナブルなブランディングが話題となり、98年にはMAYDAYやSONARなどの巨大フェスティバルでプレイするというスターダムへと駆け上がった。ミニマル〜ディープ、エレクトロとジャンルに固執しないオープンマインドでカラフルなミックス。05年バルセロナのソナーフェスティバルでは、その美しいヴォイスとスタイリッシュなDJで約4万人を魅了した。この模様はオーディエンスの熱狂とともにCD「LIVE AT SONAR」となり話題を呼んだ。

 

INTERVIEW and TRANSLATION by MIO NISHITANI (FANTASIA)

 

ようこそ日本へ!今の気分は?


最高ね。日本は大好きなの!まだDJとして有名になる前、まだプロモーターに航空券を買ってもらえない時代に、お友達と遊びに来たことがあるの。ずっとずっと前なんだけど。その頃から日本は好きな場所なの。日本のアニメ映画の「となりのトトロ」も大好きよ。とくにトトロに出てくるあの小さなブラックボール、なんだっけ?(「まっくろくろすけ」のこと)とってもキュートね!


前回の来日ではアゲハで「女祭り」と題して多くの女性DJとプレイしましたね?


スモールルームで同じく出演したPRINCESS SUPERSTARと一緒にいたときがとっても楽しかった。ただメインフロアは少し大きすぎる気がしたわ。女性DJをメインとしたイベントだったことに関しては・・・そうね、私は単に女性だからっていうのだけで取り上げられることにはあまり関心がないの。


でもあなたは女性DJのシンボル的存在ですよ。


そう言われることに対しては、とても誇りに思うわよ。でも女性だからって特別視するんじゃなくてもっとシーンの中に入れてほしいの。私は今まで男とか女とか関係なくやってきたつもりだし、それでいて成功したって思ってる。例えばELEN ALLIENも同じだと思うわ。


女性だからという理由で物事がスムーズに運ばなかったことはありますか?


例えば物事がうまくいかなくってもし私が不平を言ったら、「MISS KITTINは女王様みたいに振る舞うからだ」って、(そうじゃないのに)言われるかもしれない。でももしそれが男だったら「だって彼がボスだから文句くらい言ってもいいじゃない」ってなるわね。女性が自分の考えを言うと、彼女はビッチだとか、女王様みたいとか傲慢だとか言われがちだと思うの。でも男の場合は別になんとも言われないじゃない。これはテクノの世界に限ったことではなくて、どの仕事でも一緒だと思うわ。とっても残念なことね。

 




 

去年バルセロナのソナーフェスティバルで、あなたのLIVEを見ました。途中でテクニカルな問題があって「STOCK EXCHANGE」をプレイ中に音が何度も跳んでしまいましたね。このLIVEはCD「LIVE AT SONAR」用に録音されていましたが、レコーディングされているというプレッシャーはありましたか?


ええ、とっても!もうプレッシャーに押し潰されそうだったの。だからあんなテクニカルプロブラムが起こったんじゃないかしら。あれは天からお告げだったのよ。「MISS KITTIN、あなたは全然リラックスしてないわね」って!パーフェクトに成し遂げたいと思っていたから余計ね。


でも結果的にはそのハプニングはCD「LIVE AT SONAR」を聞いていて、とても面白いパートだと思いますよ。


そうね、このLIVEはパーフェクトではなかったけれど、クオリティそのものっていうよりもこういうハプニングがあってこそLIVEはLIVEであるし、それだから面白くなるんだってことを示してくれてると思うの。もし誰かと恋に落ちたとするじゃない?でもその人は完璧人間じゃなくって欠点があるけど、それも含めて人は惚れてしまうんじゃないかしら。ミックスも同じことよね。パーフェクトじゃないから、なんでも面白みが出てくるのよ。


「FRANK SINATRA」の音楽も歌詞も大好きです。過激な内容ですが、最初周りの反応はどうでしたか?


みんなからジョークでしょって、クレイジーねって散々言われたわ!最初は、スタジオでもなく友達のお家でTHE HACKERと遊びながら作ってたの。すぐ近くに私の祖父のお家があって、祖父が使っていた机の上であの詩を書いたわ。次の日にその詩をハッカーに持っていって見せたら、「YOU’RE NOT GONNA SING IT!」(君はそんなの絶対に歌えないよ!)って言われたの。でもどんな歌詞をつけようが歌うのは君本人なんだから、自分のしたいようにすればって言われたの。そのとき彼、笑ってたわ。でも馬鹿げている歌詞だと知りながらも、ハッカーは気に入ってくれてたみたい。

他の友達も、こんなのあり得ないって、ジョークとしか思えないって言われたわ。誰もが、間違ってもこんなにヒットして伝説的なトラックになるとは思ってなかったから。でも私はそのとき彼らに言ったの。「そうよ、ただのジョークよ。それが何か?」って。だって私自身、いまだにジョークだと思ってるわ(笑)。みんな私が真剣にやってないって言ったの。そうよ真剣になんてやってないわよって言い返した。彼らはネガティブだったけど、私は真剣じゃないって言っててもポジティブだったの。だって遊び心ってとても大切よ。シリアスな歌詞なんて書きたくなかった。テクノはシリアスだけど、エレクトロはもっともっとファニーなものよ!

 


今の音楽活動について教えてください。


「BUGGED OUT」というダブルCDをリリースしました。これは「LIVE AT SONAR」とは全然違う趣旨で、もっとトラディショナルなミックスCDよ。それと新しいトラック制作にも取りかかっていて、今年の夏にビッグフェスティバルやギグでたくさんプレイするつもりよ。でも、これからは今までよりもツアースケジュールを緩めたいの。トラベルしすぎるとあまりにハードだから。最近思うの、DJという仕事は女性の体にとって優しくないことが多いわ。


ではもし、DJではない人生があるとしたら何をしていると思いますか?


他の人に歌を書いて提供したい。本を書いてみたい。友達や家族ともっとたくさんの時間を過ごしたい。そうね、もしDJをしないのなら、1年か2年くらい休暇に出かけて何にもしたくないわね。たぶん、子供を産んでお母さんになってるかしら。


DJをしていても、子供を産んでお母さんにはなれると思いませんか?


たぶん可能だけどもしそうなったら、もうDJはしたくなくなると思うの。DJとしてやるべきことやできることは全部やってきたと思ってる。これ以上なにができるかしら? DJは大好きだから辞めるなんてことはないと思うけど、でもたまにふと頭をよぎるの。全てを離れることってできるのかなって。全部知り尽くしてる物事を去るって実はあんまりエキサイティングではないかもね。今のところ人生は私に微笑んでるし、常に新しいチャレンジが待ってるわ。今は時の流れに身を任せてるの。だから全然心配してないし、退屈もしてない。いつもエキサイティングな気分よ!


最近ベルリンからパリに移ったそうですね。ベルリンはとても気に入っていたということですが、なぜパリに移ったのですか。


ファミリーよ。家族と昔からの友達ね。DJという仕事は毎週末ギグに出ているから、家族や友達と会えないの。たくさん仕事をして常にトラベルして自分の大切な人と会う時間が全然なかったの。今になってホームに戻る必要があるんだって気付いたの。気付くまでにとても長い時間がかかったけれど。


あなたはタトゥーがたくさんありますね。背中に猫のタトゥーも入っていますね?


そうなの。「マネキネコ」のことね!招き猫のタトゥーは東京で入れたのよ。私はKITTIN(猫)だからパーフェクトでしょ(笑)?知り合いにタトゥーアーティストがいて彼に入れてもらったの。招き猫のタトゥーをリクエストしたら、彼は私がそんなこと知ってるなんて、とてもビックリしてたわ。 普通の招き猫は金運を高めるっていう意味で、手にコインを持ってるわね?それを私のはスクエアボックスに変えてもらったの。何故かと言うと、私の招き猫はお金だけではなくて、全ての幸運を運んでくれるようにカスタマイズしてもらってるの。オリジナルのマネキネコよ!でも決して忘れちゃいけないのは、本来幸運っていうのは自分自身で運んでくるんだってこと。招き猫に頼ってるんじゃなくて、私自身が幸運を呼ぶパワーを強めてもらってるの。今のところそのパワーは効いてると思うわ!

 

 

コメント:
今回、香港・シンガポールとツアーに同行させてもらった。東京ではMISS KITTINのためにWELCOME PARTYが開かれ、シャンパンを飲みながら和やかなムードで行われたインタビュー。その美しい彼女のヴォイスを披露できないのが残念だが、とてもキュートな振る舞いで彼女がいるだけで雰囲気がパッと明るくなった。